ファッション生産の危機 国産の2倍を越える輸入品
日本にかぎらず先進国のアパレル産業にとって、生産の国外流出は避けられない問題である。欧米でも製造コストが安い開発途上国での生産が増え、アパレル製品の貿易収支は赤字となる国が多い。そうした状況からすれば、日本のアパレル輸入の入超現象に目くじらを立てることはないのかもしれない。だが問題は、そのバランスである。
繊維産業構造改善事業協会(現・中小企業基盤整備機構)がまとめた「衣料品生産実態調査報告書」をもとに、アパレル製品の需給動向をみると、1988年は生産量が16億点で、輸入は13億点である。ここでは1.2倍(数量)も国内生産のほうが多かった。ところが、こうした状況は6年で逆転してしまい、94年には国内生産の13億点に対し、輸入が27億点。何と2倍もの大差が付いてしまった。これにともない国内消費に占める輸入品のシェアも、6年間で48%から68%に拡大した。
一方、アパレル輸出は94年の実績で8400万点にすぎない。88年に1億8000万点もあったものが、わずか6年で半分以下になってしまったのである。94年の輸入が27億点だから、アパレル製品の貿易収支は32倍の入超ということになる。
ちなみに財務省の貿易統計(2005年実績)では、アパレル輸入額が約2兆4700億円であるのに対し、アパレル輸出額は帽子などの雑貨含めても約540億円である。アパレル輸出額は年々低下し、輸出額は輸入額のわずか2%程度の水準に止まっている。


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