ファッション生産の危機 「拡大をめざす」縫製業は2割
ところで、日本アパレルソーイング工業組合連合会がまとめた「実態報告書」によると、日本の縫製業は取引形態で「賃加工のみ」という企業が72%に上る。これに「主に賃加工」(14%)を加えると、その数は86%に跳ね上がる。一方、これに対して「原料買い製品売り100%」という企業は4%にすぎず、「主に製品売り」の10%を足しても、全体の2割に満たない。
この報告書による工場の平均年商は3億3000万円で、経営の方向性についても「現状を維持する」が58%に達し、「縮小をはかっていく」(11%)を足すと7割近くが“悲観派”ということになる。そうした一方「事業拡大を目指す」は23%でしかない。このあたりからも縫製業の疲弊ぶりが伺える。
そこで縫製業を取り巻く経営環境について、あえて問題点をあげてもらうと、次のような意見が目立った。
■加工賃の引き下げ 95%
■採算性の悪化 92%
■生産性の低下 84%
■人件費の高騰 84%
■受注量の減少 80%
■従業員の高齢化 80%
■時短推進が困難 76%
■生産の小ロット化 75%
■人材育成の状況 70%
どれもが一朝一夕には解決できない、深刻な問題である。こうした厳しさは人的資源にも影響を及ぼし、例えば新卒採用の状況をみると、過去5年間で「採用ゼロ」が56%に上っている。そして新卒採用の問題として、経営者は「他の業種に比べて賃金が安い」(61%)、「業界イメージが悪い」(47%)と訴えている。しかも、ここに「やや思う」を加えると、両者の数値は各々86%に跳ね上がる。


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