蘇れ!メンズ・ファッション どう掘り起こす、埋もれたチャンス
メンズウエア市場には、まだ埋もれた消費が1兆円はある、というのが筆者の見解である。とくに中高年を対象にした分野は、その多くが手つかずの状態になっている。この未開拓分野に、どうメスを入れていくか。さらには感性消費が常態化する中で、世界発信ができるメンズ・ファッションを、どう育んでいくか。市場活性化に向けた課題は山積している。
まず、消費者へのアプローチでは、これまで何度も述べてきたように、“買わない男性”の撲滅をはかる。これが至上命題である。先進国のなかで、アパレル消費を他人任せにするのは日本ぐらいである。これが服装音痴を増殖させ、さらにはメンズウエアを価格競争に走らせている。
たしかにファッション商品には、必需品と奢侈品とがあって、最近は生活パーツとしてのファッションが見直されているが、それでもファッションから趣味趣向が消えてしまったわけではない。最近のスーツはワークウエアと同義語になりつつあるが、だからといってワークウエアが機能一点張りでいい、ということにはならない。
アクティブ・スポーツウエアが運動機能だけでなく、メンタル機能としてデザインのもつ重要性が付加されているように、ビジネスマンのワークウエアにしても、メンタル部分の機能開発が欠かせない。しかし、そのことを理解するビジネスマンは少数派であり、圧倒多数は「おかしくなければいい」と決め込んでいる。こうした図式を変えなければ、日本のビジネスウエアは発展しない。
一方、消費者とは別に、メンズアパレル業界が抱える問題は、何といっても感性消費への対応にある。「ミリメーター・チェンジ」に代表されるように、メンズウエアには物理的な精密性が求められ、この物性を抜きにしての感性化はむずかしい。だが、この物的有用性を極めたうえでの感覚有用性の開発は急務である。
一部のメンズアパレル企業では、新進デザイナーを起用して“感性型メンズ”を打ち出す例があるものの、大半はブランド戦略すら後手に回っているのが実情である。かつて東京コレクションで話題となったメンズのDCブランドも、最近はめっきり減ってしまった。
90年代になってからのメンズウエアは、ロードサイド専門店によるスーツとカジュアルウエアの格破破壊によって、市場全体がプライスに振れている。非価格競争で元気がいいのは、欧米のセレブ系ブランドぐらいで、国内ブランドに精彩がない。
この状況を一言でいうなら、メンズアパレル業界における「MD喪失症候群」といえる。マーチャンダイザーやバイヤーの自信喪失が、市場回復のエネルギーを奪ってしまった。では、どうやってMD回復をはかるのか……。
そのための第一歩は、MDやバイヤーにかぎらず、すべて業界人がファッションとの距離を縮めることにある。「メンズウエアは、ここが面白い!」「メンズ・ファッションの奥義はこれだ!」…こうした意識が市場に共鳴する。ファッション意識の改革、いまメンズ・ファッションは、業界と消費者の双方にこれが求められている。
メンズウエア市場には、まだ埋もれた消費が1兆円はある、というのが筆者の見解である。とくに中高年を対象にした分野は、その多くが手つかずの状態になっている。この未開拓分野に、どうメスを入れていくか。さらには感性消費が常態化する中で、世界発信ができるメンズ・ファッションを、どう育んでいくか。市場活性化に向けた課題は山積している。
まず、消費者へのアプローチでは、これまで何度も述べてきたように、“買わない男性”の撲滅をはかる。これが至上命題である。先進国のなかで、アパレル消費を他人任せにするのは日本ぐらいである。これが服装音痴を増殖させ、さらにはメンズウエアを価格競争に走らせている。
たしかにファッション商品には、必需品と奢侈品とがあって、最近は生活パーツとしてのファッションが見直されているが、それでもファッションから趣味趣向が消えてしまったわけではない。最近のスーツはワークウエアと同義語になりつつあるが、だからといってワークウエアが機能一点張りでいい、ということにはならない。
アクティブ・スポーツウエアが運動機能だけでなく、メンタル機能としてデザインのもつ重要性が付加されているように、ビジネスマンのワークウエアにしても、メンタル部分の機能開発が欠かせない。しかし、そのことを理解するビジネスマンは少数派であり、圧倒多数は「おかしくなければいい」と決め込んでいる。こうした図式を変えなければ、日本のビジネスウエアは発展しない。
一方、消費者とは別に、メンズアパレル業界が抱える問題は、何といっても感性消費への対応にある。「ミリメーター・チェンジ」に代表されるように、メンズウエアには物理的な精密性が求められ、この物性を抜きにしての感性化はむずかしい。だが、この物的有用性を極めたうえでの感覚有用性の開発は急務である。
一部のメンズアパレル企業では、新進デザイナーを起用して“感性型メンズ”を打ち出す例があるものの、大半はブランド戦略すら後手に回っているのが実情である。かつて東京コレクションで話題となったメンズのDCブランドも、最近はめっきり減ってしまった。
90年代になってからのメンズウエアは、ロードサイド専門店によるスーツとカジュアルウエアの格破破壊によって、市場全体がプライスに振れている。非価格競争で元気がいいのは、欧米のセレブ系ブランドぐらいで、国内ブランドに精彩がない。
この状況を一言でいうなら、メンズアパレル業界における「MD喪失症候群」といえる。マーチャンダイザーやバイヤーの自信喪失が、市場回復のエネルギーを奪ってしまった。では、どうやってMD回復をはかるのか……。
そのための第一歩は、MDやバイヤーにかぎらず、すべて業界人がファッションとの距離を縮めることにある。「メンズウエアは、ここが面白い!」「メンズ・ファッションの奥義はこれだ!」…こうした意識が市場に共鳴する。ファッション意識の改革、いまメンズ・ファッションは、業界と消費者の双方にこれが求められている。


最近のコメント