蘇れ!メンズ・ファッション どう掘り起こす、潜在需要
結論からいえば、日本のアパレル消費は量的限界に達したかもしれないが、ことメンズウエアに関していえば、少なくとも1兆円やそこらの“埋蔵金”が眠っている。そう思ってもいい。その潜在需要を掘り起こすためには、従来通りの手法では無理があり、何か新しい施策を講じなければならない。
まず、潜在需要の根拠についてだが、すでに述べてきたように、日本のアパレル消費はレディスウエアに偏り過ぎている。その最大原因は、日本の中高年男性の消費が、あまりにも脆弱すぎる、ということで、ここを改善すれば、かなりの掘り起こしが可能となる。中高年男性のファッション意識を変える。ここがポイントである。
一例をあげれば以前、女性の間で大ブレイクしたGジャンだが、ついこの間まではジーンズがホットアイテムとなっていた。ジーンズに関するムックが評判を呼び、高値のビンテージ・ジーンズが良く売れた。これだけの現象をみれば、日本人はジーンズが好きな民族といえる。
しかし、日本のジーンズ市場の過去を振り返ってみれば、ジーンズが好きなのはヤング世代にかぎられる。欧米先進国のジーンズ消費とくらべると、アメリカの4分の1、EU諸国とは2分の1の水準が日本の実力なのである。
ヨーロッパとは比べようがないほど多くのアメリカ文化の影響を受け、食文化やエンターテイメントでも抵抗なくアメリカを受け入れる日本人が、EUの半分しかジーンズを買っていない、というのも不思議な話である。そう、ここでも消費にブレーキをかけているのが中高年世代で、日本では年をとるにしたがいジーンズから遠ざかっていく。
こうした現象はジーンズにかぎらない。メンズ・ファッションでいえば、仕事用のスーツはともかく、アダルト向けのカジュアルウエアで「ブーム」をつくるのは至難な技である。それもこれも原因は、やはり中高年男性のファッション意識であり、これが余りにも低すぎる。これをどのように変えていくか、ここが課題の第一歩である。
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